土曜日。
ラオスの少数民族の方たちと一緒に働いている谷由起子さんの展示会へでかけた。
レンテン族の藍の布、服。
クロタイ族の シルクのショールや服。
「ゼロからの服づくり」
桑畑を整え、蚕に卵を産んでもらい、養蚕し、糸を引き、撚りをかけ、染色し、布を織り、その布を裁断し、縫製し、服という形にする、というもの。
そして、その仕事がすべて手でなされている。
縫うのもミシンを使っていない。
驚くほどの細かさで手縫いされている服やエプロンやカード入れや。
ひとはここまでの仕事をすることができるのだなあ、と本当に見入ってしまう。
そして魅せられる。
だが、この仕事も消えてしまうかもしれない瀬戸際に立たされているそうだ。
ベトナム戦争の時ですら、戦火の中を逃げながらも昼間隠れながら布を織っていたとか。
そしてその布は、今つくろうと思ってもつくれないほどの布だったとか。
それが今、中国のプランテーションに押されて、手仕事が賃労働にとって替わられようとしているそうだ。
谷さんはいう。
「細かく美しく力のこもった縫い目です。こんなことをできる人たちが今世界で一体どれだけいるのだろう、この人たちの力も、世界中の多くの人が失くしてしまったように、そのうち消えていくのだろう、ああなんてもったいないのだろう、どこかに道はないのだろうか、そう思うと悔し涙が出てきます。」
都会に農地なんか。
農業は消えていく仕事。
そして自分たちのいのちをうみだすものを外国に委ねようとする。
国立ほどの小さい市で、農地を農業をなんとか残していけないかとごまめの歯ぎしりのようなことを している私にとって、谷さんの悔し涙は他人事ではない。
自分たちの生き方が問われているのよね。
そう。そうですよね。
手の力を私は信じる。
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