自分のなかで、どう文章にしてよいのか整理がつかないまま。
ぼんやりとしていたものが、ようやく見えてきた。
先月10月23日の夕方、やま森カフェでの仕事を早あがりして、陸前高田へと向かった。
本来の目的は、『農業・農地を活かしたまちづくり事業』の参考にするべく、
岩手県遠野市にある「クイーンズメドウ・カントリーハウス」を訪ね、
田瀬理夫さんにお会いし、その仕事を見せていただくことだった。
wakuworksの和久さんが、5月に西村佳哲さんと田瀬理夫さんに案内いただいて訪ねた後、
その素晴しさを聞いて、行ってみたかった。
百聞は一見に如かず。
遠野まで行くのなら、陸前高田まで足をのばし、
そこで活動している「なつかしい未来創造株式会社」の中野さんに会いに行こう、ということになった。
陸前高田。
行ったことの無いその場所は、それでも私にとって特別の場所だった。
20数年来の友人の故郷。
深夜に一関に到着し、翌日陸前高田へと向かった。
一関から陸前高田に向かう途中は、何事も無かったかのように平穏な農村風景。
それが、山を下り、視界が開けてくると…。
どこにも海が見えないところでさえ、津波の被害の痕が残っている。
もう1年8ヵ月もの日々が過ぎているというのに。
市役所だったところはまだ取り壊されておらず、たくさんの花束が手向けられていた。
祥月命日に訪れる人もいるとのこと。
捜索終了、の文字。
美しい花々。
がれきがきれいに処理されていた。
コンクリート、鉄くず、木材。
本当にきれいに分別されていたのだ。
そして、布。
たくさんの布が積み上げられているのをみて、涙がこぼれてきた。
こんなふうに分別していった人たちの心持ちを考えると。
どれほどの悲しさだっただろうか。
どれほどの虚しさだっただろうか。
希望は見えているのだろうか。
渦巻く思いだけがあった。
そうしてあちこちを見て回った。最後は、女の人たちが運営している「りくカフェ」。
何を飲んでも300円。
テーブルの上には全国から送られたお菓子が並んでいた。
さほど広くはない店内だけれど、それでも人が集まり、話しをすることができる。
がれきを見ないでも済む時間。
誰かと一緒に楽しく話せる時間。
そこに行けばあの人に会える、ということ。
苦しさを乗り越えることは難しい。
でも、隣に寄り添う人がいることを感じられるのなら。
せめて明日まで。
生きていてもいいと思えるかも知れない。
崩れ落ちそうになる自分のつっかえ棒になるのかもしれない。
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