ある夜、夢の中に「あの日」の情景が降ってきたのだ。
もう思い出すことも無かった「あの日」。
忘れたという意識さえ無かった。
でも。
突然涙がこぼれ、嗚咽してしまう。
家人に気づかれたくなくて、タオルケットをきつく噛み、押し殺して泣いた。
そんな夜が続いた。
私は忘れてなどいなかった。
「あの日」にフタをしただけだった。
これ以上傷つきたくないと、封印しただけだった。
なぜ突然思い出してしまったのか。
「かみしめればいいよ」と友は言った。
ゆっくり、ゆっくり、「あの日」のことを考えた。
こぼれる涙を、繰り返す話しを、友は受け入れてくれた。
独りではない、と思えたことが私を救った。
向き合うことができなくても、乗り越えることができなくても、私はここにいる。
この場から、「あの日」から逃げなければ、いつか自分を傷つけなくてもすむ日がくると思うのだ。
安心して悩める場を。
そんな思いが、「畑の家」を続けている理由。
畑の家から見える景色。谷保の隠れ家?もうすぐ庭は花で満開になります。 |
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